FaSoLabo京都について

「Fa」は food allergy(食物アレルギー)

「So」は social work(ソーシャルワーク)・sower(種をまく人)

「Labo」は Laboratory(研究所)

 

法人名称には、食物アレルギー支援の将来へのたくさんの思いや願いが込められています。

FaSoLabo京都代表のご挨拶


FaSoLabo京都の新たな理事長への就任に当たり、一言ご挨拶させていただきます。 私は2005年4月より滋賀県立小児保健医療センターにおいて主に小児アレルギー疾患、なかでも食物アレルギーの診療に携わってきました。FaSoLabo京都の歴史を振り返ると、ちょうど同じ時期に食物アレルギーの子どもたちのための任意団体「ぴいちゃんねっと」として立ち上がっており、その当時から現在に至るまで様々な活動を一緒に行ってきました。最近では、食物アレルギーサポートデスクや食物アレルギー相談援助研究会などの当事者・支援者の支援活動、つどいの広場をはじめとする社会的理解を広めるための活動、食物アレルギー児の自立支援のための調査研究、など多岐にわたる活動を展開しています。

 

今、食物アレルギーの領域では従来の完全除去指導の時代から、症状の出ない範囲で少しずつ食べさせながら解除を目指す必要最小限の除去指導へと大きく変化しています。また、アレルギーマーチを予防するためのスキンケアや、乳児期早期からの摂取開始による食物アレルギー発症予防の試みなど、アレルギー予防の考え方も日々進歩しています。FaSoLabo京都の活動を推進していくうえで、これらの確かな医学的根拠に基づいた最新の知識を持つことが重要と考えています。

 

現在私は龍谷大学農学部食品栄養学科に移り、管理栄養士の育成を行いながら非常勤医師として週1回のアレルギー診療を継続しています。第一線から少し離れてアレルギー診療について俯瞰的視点を持ちつつ実際の臨床現場にも身を置いて診療に携わることで、患者支援や社会的理解の広がりを目指すFaSoLabo京都の活動に、より深く関われるのではないかと考えています。前理事長の空閑浩人先生が築かれた確固とした体制を引き継ぎ、アレルギーの正しい知識に基づいたFaSoLabo京都の活動をさらに発展させていきたいと思っています。皆さまのご支援とご協力をよろしくお願い致します。

 

2022年7月

楠 隆

理事メンバー紹介

理事長 楠 隆 龍谷大学農学部食品栄養学科小児保健栄養学研究室
一般社団法人 日本アレルギー学会専門医・指導医
滋賀県立小児保健医療センター非常勤医師
京都大学医学部臨床教授
副理事長 青山 三智子  社会福祉法人 京都府社会福祉事業団 京都府立こども発達支援センター 診療課長
京都府立医科大学附属病院 小児科アレルギー外来 担当医
一般社団法人 日本アレルギー学会専門医

これまで地域機関病院や大学病院でアレルギー児の診療をさせていただいてきました。外来での支援は来ていただいてこそ可能となります。しかし、外来に来ることができず、ご自宅で悩んでおられるご家族の方々も多いのではと思います。

今後、FaSoLabo 京都の活動を通して、病院でお会いする機会がなかった皆様への情報発信や連携をはかっていきたいと思っています。

副理事長 上原 久輝  医療法人社団石鎚会 京都田辺中央病院小児科 医長
京都府立医科大学附属病院 小児科アレルギー外来 担当医
一般社団法人 日本アレルギー学会専門医

近年、アレルギー物質の食品表示の義務化や食物経口負荷試験の普及などによって、正しい診断に基づいた必要最小限の食品除去と適切な栄養指導が実践されるようになり、食物アレルギーの子どもやその家族の生活の質が改善されてきています。しかし、まだまだ必要以上に厳格な食品除去や曖昧な指導でお困りになられている事例に出会うことがあります。

地域医療を担う立場から、正しい情報を積極的に発信することにより、アレルギー診療の質の向上に貢献していきたいと思います。

理事

鵜川 真悟  京都市保育所 保育士
京パパ堂 事務局長

食物アレルギーについては、まだまだ勉強中ですが、保育士での経験や京パパ堂(パパと子ども向けのイベントの企画・運営)での経験をいかして、親子で楽しめる活動をみなさんと一緒に企画してみたいと考えています。

「こんなことしてみたい」などたくさんのご意見お待ちしています。よろしくお願いします。

理事

 

小谷 智恵  社会福祉士・京都DWAT登録員
FaSoLabo京都 創設者

FaSoLabo 京都立ち上げ当初は、保護者の立場から支援活動を行ってきました。しかし食物アレルギーという医療面での支援としては、不完全さを感じ、医師の方々にご協力をいただく場面も多くありました。そして今春2011年4月には、医師や金融関係の方を理事に迎え体制・事業を一新し、子育て支援に加え医療支援も行える心強い新体制に移行することができました。

これからも、さらに充実した支援を行えるよう尽力していきたいと思います。

理事

 

元木 啓雄 税理士
食物アレルギーの子どもの親にとって、正しい知識と正確な情報というものが非常に重要であることを、子どもが食物アレルギーであることで身をもって体験してきました。FaSoLabo 京都での活動を通じて専門家の知識やアレルギーの方々の経験等を多くの方に伝えることができればと考えています。

理事

 

三好 英  FaSoLabo京都非常勤職員
(一社)ボディセンスインスティチュート公認インストラクター
身体調和支援体操アドバイザー、京都府子育て支援員

FaSoLabo京都は元NPO法人京都八幡こどものひろば在籍中に、出張アレルギーの学び舎の取り組みでお世話になりました。その後、非常勤職員として、ご縁をいただき8年になります。この間にも、食物アレルギーの研究は進んでおり、また、社会での食物アレルギーへの理解も広がってきたことを実感しています。

正しい知識が伝わるよう私自身も学びつつ、同時に支援者が求められていることはどのようなことかを考え、社会にも当事者の皆さんにも伝わるような活動を目指して、次の世代を支えていきたいと思います。

監事

河合 将生  NPO組織基盤強化コンサルタント office musubime 代表
日本ファンドレイジング協会 関西チャプター 共同代表

FaSoLabo京都の沿革


🐤2005年4月

任意団体「ぴいちゃんねっと」として設立。

当時の家族会や患者会は、会員制をとるところがほとんどで、会員という限られた範囲にしか情報が届いていないことに疑問を持ち、会員制でない会の形を目指し、スタート。

フリーペーパーのニュースレターを毎月発行し、アレルギーに関する情報発信の事業を行う。

 

🐤2005年8月

「アレルギーネットワーク京都ぴいちゃんねっと」に改称。

保護者だけの会ではなく、医師・行政・子育て支援者等との横のネットワークの構築を目的とした。

また、家族会・患者会ではなく、「中間支援団体」としての事業・活動を行うことを明確化し、保育園・幼稚園・学校、地域の子育てサークル等での食物アレルギーへの理解を求める。

 

🐤2008年

NPO法人設立のための準備・説明会を開催。

事業・活動の広がりから、より充実した対応を可能とするためにNPO法人化を決定。

 

🐤2009年3月

設立総会を経て同年7月24日に「NPO法人アレルギーネットワーク京都ぴいちゃんねっと」となる。

 

🐤2010年

「アレルギー研修会」「ホットライン」「出版」「コミュニティーカフェ」等の事業を開始する。

 

🐤2011年4月

体制及び事業見直しを行う。

設立時から保護者目線の子育て支援としての事業活動を行ってきたが、「食物アレルギー」の支援を行う責務から、より一層の医療面での支援が不可欠と判断し体制の一新を行う。

また事業については、主幹事業を、「アレルギー研修会」とし、「コミュニティカフェ」の休止、「出版」事業の中止を決定。

「ホットライン」については、医師との連携を図りながらより充実した事業へと転換するとともに、新たに「災害支援」の事業に取り組むことを決定。

 

🐤2012年

京都府域で、地域の支援員育成及び親子支援を目的とした「出張アレルギーの学び舎」を開始。

京都府へ「修学旅行生への食物アレルギー対応」の政策提言を行う。

(2013年度より「食物アレルギーの子おこしやすプロジェクト」として予算化)

 

🐤2013年5月

設立当初からの目標であった、食物アレルギーの子どもと保護者の常設の居場所「食物アレルギーサポートデスク」を開設。

 

🐤2014年4月

「アレルギー大学(京都)」を誘致。京都会場の事務局を担当。

 

🐤2014年10月

京都府と一緒に「食物アレルギー支援プラットフォーム」を立ち上げる。

食物アレルギーの子ども・保護者への支援のあり方について京都府(健康対策課・子育て政策課・地域力推進課)・京都市(児童家庭課・保健医療課)と検討を開始。

 

🐤2015年3月

京都市より地域子育て支援拠点事業「つどいの広場」を受託。

全国初となる食物アレルギーに配慮された地域の子育て広場事業を開始。

現在に至る。